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名古屋、津、そして、飛騨高山にもちかくなる岐阜県の山奥まで車で出張したときに、岐阜羽島の駅前のホテルに宿泊したことがありました。 改装中だったホテルは、一部改装中ということもあり、新しく改装されたばかりの広いツインルームでも破格の3,800円ほどで泊まれたのはラッキーだった。ホテルの駐車料金は500円だった。これも安い、と、その気は、思った。
夕食を取りにホテルをでると、その駅前には、有料駐車場がいくつもあるだけで、ほかに店らしきものはほとんど何もない。むしろレストランも全くないというほうが正確だ。 確かに、高校時代に新幹線で通過するこの岐阜羽島駅については大野伴睦が誘致した政治路線の駅で、周りは畑ばかりでなにも無く、大野伴睦夫妻の銅像が立っているだけ、ということが話題になっていたことを思い出した。 で、それは今でも、ほぼそのままなのだ。
で、なんとかレストランを探すべく、駅から離れて、車の往来が遠くに見える街道沿いに向かって歩いていくと、有料駐車場の値段が駅のすぐ前でも24時間で500円であることがわかった。 そこから数十メートル行くと、24時間で300円とある。 そこから100-200m行くと、24時間で250円とある。 東京なら10分か15分の駐車代だ。 激安なのは、にぎわっていての競争ではなく、ほかにビジネスも無く、利用者も限られているので、その価格であり、あぁ、やはり岐阜羽島の駅は政治で生まれた駅なのだな、ということが実感として感じられる。
で、やっと街道沿いに出て、いくつかの食堂があった。 店構えも立派な大きな回転寿司やがあったので、入ると、大手回転すしチェーンの価格帯とは明らかにことなるやや高めの価格設定だけど、お得な価格設定のセットもあり、ほぼ上記パーキング料金的な価格設定のセットものをリピートオーダーして食べ過ぎ。
で、腹も落ち着いたのでぶらぶらと岐阜羽島駅前のホテルに向かって歩きながら、ふと、この駅を、今でもなにも無いこの地に、それも当時は畑の真ん中に作らせた大野伴睦という政治家のことを思い出した。 当時、高校生だった僕には政治のことは全くわからなくて(今でもよくわからにけど)、晩年の下唇の分厚い、よぼよぼの大野伴睦のイメージしかなかったが、ネットでみてみたら、これが面白くて、読み進んでしまいました。 この人、とても好きかも。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%87%8E%E4%BC%B4%E7%9D%A6
岸信介、佐藤栄作、安倍晋三とつながる系譜への対抗軸だったかも、という意味においても面白かった。
特に面白いと思ったのは、大野伴睦の泥棒への対応や、「酒豪としても知られ、「酒は飲む以上わけがわからなくなるまで飲むべきだ」という名言がある。」という部分だ。
また、佐藤栄作が「僕も栄ちゃんと呼ばれたい」という一人歩きしてしまった言葉の裏に大野伴睦がいたという事実は知らなかった。
「この密約自体は孫である安倍晋三が「祖父から直接聞いた」とテレビ等で発言しており、その際に岸は「政治家は目的のためになら嘘をついてもかまわない」と語ったという。」という一文を読むと、安倍晋三の共謀罪法案成立などに見るまでも無く、彼のDNAに流れる政治手法があぶりだされる気がして、ぞっとした。
で、結局、この岐阜羽島の駅は、大野伴睦がむりやり田んぼの中に作らせたというのではなく、岐阜県のもっと大きな町を通過させることが大幅なう回路になるため、JRに受け入れられず、迂回を最小限にするために作られた駅だということがわかった。もっとも、なんとか岐阜県にも新幹線の駅を作りたい、という意味においては政治的な駅だといわれても仕方が無いという部分はあったとは思うし、現在もあまり利用されてはいないし、この駅が産業の核になるということはなかったということを目の当たりにするのは残念な気がした。 |
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